ベルギーで日本を応援する

 この間のサッカーワールドカップ、日本対ベルギー戦。


 ヨーロッパの人は(って一括りにしちゃうけどたぶんそう。)

だいたいサッカーが好きなので、ベルギーももちろん、

自分の家に国旗を飾ったりしてるところが多いし、

お店のディスプレイなんかもサッカー一色。



 ほんまにめちゃくちゃ完全アウェーである中、私たちは日本を応援した。

こちらの時間では夜8時からだったし、観戦するにはちょうどいい時間だった。


 私も夫もサッカーには普段興味がなく、

私もワールドカップくらいのときに、日本が出てたら応援する、

という感じだし、しかも今回は、グループリーグでコロンビアに勝った、

というニュースを見てから応援し始めたくらいのまさしく「にわか」である。


 ベルギーは噂によれば優勝候補とも言われるくらい強いみたいだし、

とりあえず善戦してくれれば、と祈りながら見る。

息子にも青を応援するように言う。


 前半は防戦一方に見える。

私一人そわそわしながら、ワー、キャー、やめてー、耐えてー

などと叫んで、そのへんウロウロするので、夫に落ち着けと

たしなめられる。


 よしよし、前半耐えた。

はー、もう心臓に悪い。


 後半始まってから、歯磨きをするため洗面所に行くと、

夫が叫ぶ。

「日本、1点!」

ぎゃ~~、見損ねた~。なんでこんな時に限って。


 しばらくしてもう1点追加。

やった~~~!やった~!と飛び跳ねて喜ぶ私。

おそらくこのへんで喜んでいるのは私たちだけであっただろう。


 一瞬、次のブラジル戦なんて想像してしまった。

しかし、そこからが長い。

まだまだ時間は残ってるし、このまま耐えられるのか。


 なんでそんなん入るの?っていうヒョロヒョロ~としたボールからの

1失点目を境に、ベルギーが息を吹き返し、

まさかの試合終了間際の逆転負け。

負けた~~~~~。うわ~~~~ん。😭😭😭😭😭😭😭😭


 ベッドに入るも、私は興奮と悔しさで眠れない。

見てるだけでこんなに悔しいんだから、選手たちの気持ちは計り知れない。

息子に「青負けちゃったわ~。perdu(フランス語で「負けた」)や~」

と言うと、息子が私のほっぺにチュッとして、

「bisou(ビズ、キス)したから、明日はperduじゃない。」

と言ってくれた。

いやあんたかわいいけどさ~。

もう明日はないのよ~~~~~~。


 外では勝利の喜びでパフパフ鳴らしながら、車で走る

輩もいるし、余計ムカつくな、と思いながら私は眠れない夜を過ごしたのであった。


 でもなんだろう、いい試合だったし、選手たちの姿を見て、感動したし、

清々しくもあった。