やっぱええ人

 突然、5月の話だが、オランダのロッテルダムに観光に行ったときの出来事。


 この旅行における一つの大きな目標は、ロッテルダム近郊の

キンデルダイクに行くことであった。


 キンデルダイクは世界遺産にも指定されていて、

風車が19基まとめて残っているところである。

オランダには、風車がたくさんあるイメージだが、

車で走っているときとか、電車に乗っているときとか、時々

ポツンと、あ、こんなところに風車が、という感じで

点在していて、こんなにまとめて一か所にあるのは珍しいのである。


 アムステルダム近郊にも、ザーンセ・スカンスという数基まとめて

見られるところがあって、観光地化されている。

2年前に行ったことがあって、そこもよかったが、

キンデルダイクにも行ってみたいとずっと思っていたのである。

(↑2年前に行ったザーンセ・スカンス)



 キンデルダイクに到着したのは夕方。

入り口のインフォメーションセンターに小さなお土産屋とカフェがあるくらいで、

ただ風車の並ぶ運河沿いで散歩するという、のどかなところであった。

やっぱり、これだけ多くの風車が並んでいる様子は圧巻であった。


 写真をパチパチと撮っていて、

息子と夫、次は息子と私、と撮り合いしている時、

突然、かわいらしい10代後半くらいの若い女の子が

「みんなで一緒に撮りたかったら、シャッター押してあげましょうか。」

と近づいてきた。


 この時、私は一瞬躊躇した。

というのは、昔、海外旅行をしていて、シャッター押してあげようと

親切ぶって近寄ってくる、実はその代わりにお金ちょうだいっていう

要するに物乞いのようなやつにあったことがあったからだ。


 結局のところ、その女の子は普通に親切なだけであって、

(よく見たら周りにその子の家族もいたし。)

私たちは家族写真を撮ることができた。

私は一瞬でもその子を疑ってしまったことを恥じた。


 キンデルダイクを去るとき、夫が駐車場で、その女の子の乗る車のプレートが

スイスナンバーであることを発見した。

二人でああ、そうか~。だから親切だったのか~と納得した。

スイス人はええ人多いです。(スイスびいきですが、

もちろん各国親切な人はいますよ~。とお断りしておきます。)

(↑ キンデルダイクでの1枚)