手の痛み(Dr.S)
私の右手の甲の手首付近に、ポコッと膨らみがあり、
これは結構昔からたびたび出ているのだが、痛みもなかったし、
だいたいしばらくすると勝手に引っ込んでいた。
ところが、ここ数カ月、時々痛むようになり、
4月は寝ている間にもしびれを感じるほどであったので、
4月末にかかりつけ医であるDr.Sのところへ行った。
このDr.Sには、ベルギーに来て間もないころから
お世話になっている。
結婚して夫と一緒にベルギーで住み始めたころ、夫がひどい風邪をひいた。
最初に夫の上司の紹介してくれた医者に行ったが、
処方されたのは「ペニシリン」だった。
その昔教科書で、最初に発見された抗生物質として習った記憶があるが、
実際処方されたのは初めてだった。
ほとんど効果が見られず、週末に夫が熱にうなされながら、
私に週末専用の番号(町の医者が回り持ちしている)に電話するように頼み、
電話したところ出たのがDr.Sであった。
Dr.Sは違う抗生物質(なんだったか忘れた)を処方し、
ようやく夫は回復に向かったのであった。
最初の医者とDr.Sの順番が違えば、
Dr.Sもペニシリンを処方したのかもしれないが、
それから、Dr.Sが私たちのかかりつけ医となっている。
Dr.Sの診療所は、朝は予約なしで診察してもらえ、
午後はインターネットで予約制となっている。
時々Dr. Sは1週間か2週間休暇をとる。
このあたりは日本のお医者さんと違うなあと
思う。
診療所は大変シンプルで、待合室と診察室のみがあり、
受付などはない。待合室には隅っこにキッズコーナーが設けてある。
待合室で、それとなく自分たちの順番を覚えておき、
Dr.Sが診察室から出てきたら、お互い順番を察知しながら
診察室に入るのである。
会計は、Dr.Sが診察後におもむろに財布を取り出してきて、
私たちは現金で支払う。料金はだいたいいつも一定であるが、
夜6時以降になると割り増しになる。
後から各自加入している保険会社に請求すると、ある金額が返ってくる。
さて、Dr.Sは私の手にある膨らみを押したりしながら、
ガングリオン(synovial cyst)だと言った。
そして、勝手に治ると言ったが、私が痛みがひどくて
日常生活に支障が出ると訴えると、
総合病院の整形外科の先生あてに紹介状を書いてくれた。
手術するなら局所麻酔で、膨らみを切って、その後2週間バンドで
固定しなければならないと言うことであった。
つづく
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