フランス語とアルザス語

 夫の実家から遠くないところに、Obernaiという町がある。

アルザスの伝統的な建築が残されているかわいらしい町であり、

日本のガイドブックにも載っている。

 その読み方であるが、ガイドブックには「オベルネ」と書いてある。

でも、夫に聞いたのをそのまま私がカタカナに直すと「オビャネ」である。


 夫の実家に行くようになってまもないころ、

Obernaiの話をしていて、私が、オビャネ?と言うと、

夫も義母も「そうそう。」と言うので、

「でもここ(ガイドブック)にはオベルネって書いてますけど」

というと、「そうそう!」

私:「オビャネ?」

夫と義母:「そうそう!」

私:「オベルネ?」

夫と義母:「そうそう!」

いやいや、一緒とちゃう。


 こりゃフランス語の発音は難しいと

実感した。いや逆に、それっぽく言えば通じるのか?


 また、息子が生まれてから、

息子と義父が、アンパンマンの、ペンでタッチしたら

言葉を話す、ことばすかんで遊んでいたとき、

「じょうようしゃ(乗用車)」とアンパンマンが言うのを聞いて

義父は息子に

「トーヨータ」

と教えていた。義母も「うんうん。トーヨータよ。」と賛同する。

日本の乗用車と言えばトヨタやけども、

ニンテンドーみたいに会社名が

そのままゲーム機の名前になるのとはちゃうのですよ。(^^;)

 

 私は一応細々とフランス語を勉強していて、

最近は、簡単な会話はわかるようになった。

でも自分から話すのは全然まだまだという感じだ。


 義母は英語を話してくれようとして、

お互いにつたない英語とフランス語を駆使して

がんばるのだが、

最終的に夫の通訳が必要となる。

 それでもまだ義父母と私たちだけのときは

夫の通訳を介しながらも

会話というかコミュニケーションができる。


 さらなる問題は、フランス語の中に

時々フランス語らしからぬ

言葉が混ざるのだ。

特に、隣人たちとパーティーのとき。

盛り上がってくるともうついていけない。


 それはアルザス語(Alsacien)。

かなりドイツ語に近い。地理的、歴史的背景から、

年配の方々を中心に話されている。

スイスのドイツ語圏(ベルン)に住んでいたので、

少しはなじみのある言葉もある。(と言ってもドイツ語はできませんが。

これまたスイスドイツ語と標準ドイツ語も全然違うらしいし。)


例えば

英語、アルザス語、ドイツ語、フランス語の順に並べると 

(無理やり読み方をカタカナにしております)

Good|  Güet グュウェト|  Gut グート|  Bon (Bien) ボン(ビヤン)

 

Cheese|  Käs カーズ|  Käse ケーズ|  fromage フロマージュ


くしゃみをした人に対して言う言葉、

Bless you | Gsundheit ゲスンテイト|  Gesundheit ゲズンタイト|

  À vos (tes) souhaits ア ボ(テ)スエ

とこんな感じ。


 夫が話しているのは聞いたことがないし、

(義父母は使うが、夫自身は使ったことがないそうだ。でも理解はできる。)

若い人たちはもうあまり使わないようだ。


 義母は、いつもそういう大勢の集まりの時、

パーティーがつまらなくなかったか、一人でさみしくなかったか、

など気を使ってくれるので、申し訳なくなる。


 私と夫との会話は英語でしかも日本語も混ざってきてる

変な英語、

オランダ語圏に住んでいる今、私の英語力も

落ちている気がする。

いつかフランス語が話せるようになって、

アルザス語も話せないにしても理解できて、

みんなと会話がスムーズにできるようになる日が

来るのだろうか。

結婚してもう5年なのに、

いろいろと言語の勉強について、本気が足りひんのやろかと思うこの頃。


スーパーで売ってたアルザス語の本。